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温帯雨林−Rain Forest−

多くの人は、温帯雨林と言う言葉よりも熱帯雨林、熱帯地方を思い浮かべるのではないでしょうか。
雨林と称されるのは熱帯雨林だけではありません。北米カナダ北西部にも針葉樹の巨木がうっそうと茂る温帯雨林の世界が広がっています。
では、温帯雨林についての条件についてご説明いたします。

世界的にそのような自然条件を持ち合わせている地域は日本を始め、ニュージーランドやチリ、アルゼンチン、タスマニア、北欧、トルコ、ロシア、そして北米の西海岸です。
カナダのブリティッシュ・コロンビア州には地球上の温帯雨林の約25%があり、まさに地球上に残された最大級の温帯雨林が広がります。しかし、残念ながら、森林伐採や自然破壊により、かつて地球上に存在していた温帯雨林の半分以上は破壊されています。ブリティッシュ・コロンビア州も例外ではなく、温帯雨林地帯の約75%がすでに伐採により破壊されています。
そこで、カナダ政府は1995年に森林法(Forest Practices Code of British Columbia Act)を施行、森林の保護管理により少しずつ森が復活しつつあります。

北国のイメージが強いカナダにおいて、どのようにして温帯雨林は生育できるのでしょうか。
ブリティシュ・コロンビア州は北緯45度〜60度付近と、やや高緯度に位置していますが、カナダの西海岸、太平洋を流れる海流の影響で夏は涼しく冬は暖かい気候です。
また一年を通して太平洋から吹いてくる西風が水蒸気をたっぷりと含んだ雲を運び、カスケード山脈やコースト山脈にぶつかることでその湿った雲は低い温度の上空へ押し上げられます。山脈手前の地域に多量の雨を降らせるという地形的条件のもと、この地の温帯雨林は形成されているのです。
この地の温帯雨林には、ウエスタンレッドシダー(米杉)やウエスタンヘムロック(米栂)、ダグラスファー(米松)など樹齢800年を越す巨木群がうっそうと茂り、そこには数千もの植物類が生育しています。
森林を流れる川には、産卵のためにサーモンが遡上、それを求めグリズリーベアーやブラックベアーがやってきます。彼らが食べ残したサーモンやサーモンの死骸が他の動物や白頭ワシなど鳥類のえさとなり、その糞や食べ残しが木や植物の養分となって吸収され森を形成することで、見事な食物連鎖が成り立っています。
また、ヨーロッパ人がカナダへ移住するより遥か昔からこの地に居を構えていた先住民族にとって、温帯雨林の木々は生活する上で必要不可欠でした。
家、カヌー、狩猟道具、食器や柔らかい内皮から衣服を、先住民族文化の象徴ともいえるトーテムポールを作る材料として、温帯雨林は太古から生あるものにその恵みを与え続けています。

日本でも研究により森の青臭い成分がストレスを軽減する効果があると発表され、森林浴という言葉も珍しくはなくなりました。
ブリティッシュ・コロンビア州の温帯雨林にはネイチャートレイル(自然歩道)も良く整備されています。木々を痛めないよう木道が作られ、その植生が説明された看板も配置、誰でも気軽に楽しめるようになっています。日本でのビルに囲まれた日常に疲れを感じたら、カナダの温帯雨林で森林浴を楽しみストレス解消、そして太古からの森のエネルギーを身体で感じてみてはいかがでしょうか。

温帯雨林が見れる厳選スポット〜カナダ〜

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