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ジャコウウシに会える厳選スポット

トゥクトヤクトゥク−TUKTOYAKTUK−(ノースウエスト準州)

西部極北地方で最大のイヌイット生活圏であるトゥクトヤクトゥクは、彼らの昔からの生活や文化を見ることができます。現在の人口は約950人。この中の約88%がイヌイットの人々です。
北極海へと繋がるボーフォート海にせり出した細い半島状の土地にあり、ノースウェスト準州を縦に流れるマッケンジー川が海に注ぐ場所です。
高木が生育できなくなる限界高度から50キロも北に位置しています。
ボーフォート海沿岸は、遥か昔からイヌイットの人々の生活場所でした。
1931年、街として栄えだしたのは、半島の地理的利点を生かした輸送キャンプが作られたことに始まります。数年後、ここに住み着いたいくつかの家族によって初めて雑貨屋と交易所を開くことになったのです。
トゥクトヤクトゥクは、西部極北地方は石油の発見によってその歴史を大きく変えていくことになりました。
1968年、アラスカで発見された石油とガスの調査の為に多くの人々がこの地域を訪れました。
1970年になると、この街から90キロしか離れていないアトキンソンポイントで石油が発見され、さらなる繁栄に拍車をかけました。
1980年代後半、石油が掘り尽くされ、街から人々が去っていったが、もともと住んでいたイヌイットの人々はこの場所に残っていました。
ポートフォート海に面した広大な土地には、様々な動植物が厳しい自然条件の中で暮らしています。
永久凍土(ツンドラ)のこの場所には背の高い樹木は生えることができません。その代わりに目に映る緑は、低潅木類、コケ類、地衣類となります。
夏の間はそれらを求めて移動してきたカリブーを見ることができます。
他にもムース、オオカミ、北極ギツネ、クズリ、ジャコウネズミなど極北を代表する動物たちも顔を出すことがあるでしょう。
ジャコウウシは、街からは離れた場所に暮らしています。
海にはシロイルカが群れで泳ぐのを見ることができます。
シーズン:4月下旬〜5月下旬

トゥクトヤクトゥクの見どころ

動植物とともに、この地域のもう一つの特徴的なものが「ピンゴ」です。平坦な極北の大地に「ポコッ」と出っ張った小山のことを指します。
この小山の成り立ちは、枯れた湖が凍り始め、その下にあったまだ凍っていない水分を含んだ台地までもが冷却され膨張し始め、その表面は長い年月をかけて凍り、又その下の大地が膨張し、ということを繰り返し出来上がったものです。
下の湖の下部にある水分が全て凍って、完全な「ピンゴ」になるまで1000年かかるとも言われています。
この氷の山は、極北の地のトレードマークとも言えるでしょう。トゥクトヤクトゥク半島には1450もの「ピンゴ」があります。中でも、イビュックピンゴは、高さ50m、幅300mの大きさで、カナダ最大、世界でも2番目の大きさを誇ります。

トゥクトヤクトゥクへのアクセス・行き方

トゥクトヤクトゥクのギャラリー

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サマーセット・アイランド−Somerset Island−(ヌナブト準州)

北緯73度15分に位置するサマーセット・アイランドには、1000年頃「チューレ」と呼ばれる、イヌイットの祖先が住んでいました。
彼らはホッキョクセミクジラなどを捕らえて、生活していたと考えられています。
島では彼らが生活していた証拠となる鯨の骨、石の住居跡などが遺跡として残っています。
白人として初めてサマーセット・アイランドに上陸したのは、1848年イギリスの探検家、ジェームズ・クラーク・ロスです。
島の北東端のレオパルド港に到着し、犬ぞりを使ってサマーセット・アイランドを探検しました。
その後、1937年に島の南端にロス砦という交易所がハドソンベイカンパニーによって建てられましたが、アクセスが悪く僅か11年で閉じられてしまいました。
現在でも残った建物は近隣のイヌイットがカリブー狩をする際のシェルターとして利用されています。
シーズン:7月下旬〜8月

サマーセット・アイランドへのアクセス・行き方

サマーセット・アイランドのギャラリー

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ジャコウウシフォトギャラリー

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ジャコウウシについて

ジャコウウシ
種目 ウシ科ジャコウウシ属に分類される偶蹄類
体長 120cm〜200cm 体重 180kg〜280kg
食べ物 草の根

カナダに最も古くから住み着いている哺乳動物と言われているジャコウウシは、約9万年前にシベリア半島から移動してきたと考えられています。
当時、ユーラシア大陸と北米大陸に挟まれたベーリング海峡は氷河期の海面低下の影響で地続きでした。地球の寒冷化によって氷が溶けず、川となって海に流れ込む水の量が減少したためだと考えられます。
当時、北米大陸は厚い氷河に覆われており、かろうじて氷のない台地で餌を見つけ暮らしていたようです。
この頃の厳しい生活環境に適応していったため、現在も氷点下40℃にもなるカナダの極北地区で暮らしていけるのです。
野生のジャコウウシの多くはカナダの極北地区、北極海に点在する島々に住み着いており、その数はカナダだけで8万5千〜9万頭と言われています。
古くから、極北で暮らす人々や、捕鯨のために極北を訪れる者の食料や衣類として数多く殺されてきた歴史を持ち、1900年初頭には絶滅の危機に瀕しました。
カナダ政府は1917年にジャコウウシを絶滅から救うために法律で保護を定めました。
カモシカの仲間であるジャコウウシは黒褐色で長い体毛を持つのが特徴です。
二重になったその体毛は皮膚に面したウール状のものと、その上に生えている長い毛からなっています。
皮膚に面したウール 状のものは羊のものと比べ、丈夫で暖かく、カシミアよりも上質と言われています。
盛り上がった背中と曲線を描いた独特の角が特徴的です。メスはオスより体格は小さいですが、立派な角を持っています。
カモシカの仲間では最大の大きさを誇ります。

ジャコウウシの生息地域

ジャコウウシの生息地域

カナダ極北、ツンドラ地域周辺に生息しています。
定着性の習性をもち、あまり移動はせず、夏季は10〜15頭前後の小さな群れで、植物が生えやすい川や湖、海のそばで暮らしています。
低木の柳の葉を好んで食べるが、それは極北地域に多い蚊や虻から目を守るために、低木の中に顔を入れているという理由もあるようです。
冬季は大きな群れをなし、雪が少なく餌の植物が掘り出しやすい山の斜面などで暮らしています。雪が硬く掘り出せないような時は自分の頭を振り下ろし、砕いている様子も見受けられます。昼間でも陽の光が差さない極北の地では、その優れた嗅覚が餌を探すのに最重要となっています。
年間を通してオス同士は群れの覇権争いを行い、強いオスはボスとなり沢山のメスと子供を率いた群れを作ります。その争いは、ぶ厚い頭蓋骨と丈夫な角を持つジャコウウシならではの迫力です。全速力で突進し角をぶつけ合い、力が拮抗したオス同士はこのぶつけ合いを何回も繰り返します。その音はまるで、極北のツンドラの大地に杭を打っているかのように聞こえます。
目の下や蹄から出る分泌液で縄張りを決めており、メスが交尾期に目の下から出す分泌液はじゃこうの臭いがします。この動物の名前の由来でもあります。また英語名では「MUSKOX」と言い、「MUSK(ムスク)」という香料は日本でもおなじみのものです。
この巨大な動物の天敵はオオカミです。オオカミたちはまだ小さい子供を狙い攻撃を仕掛けます。親を含めた大人たちの群れが一丸となって子供を守るため、角をオオカミに向け、まるで円陣を組むかのように円になりその中央に子供を入れて守ります。

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