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ナイトインレットでグリズリーベアウォッチング

僕が前から思っていた野生のクマを見たいという欲求は、もしかしたら漠然と誰にでもあるものかもしれません。
でもそれを叶えるのには大げさかもしれませんが、見えないハードルがいくつもあるような気がしていました。
それをついに叶えてくれた場所の名前はナイトインレット。
氷河が削ったフィヨルドが深く静かな入り江を作っている場所です。バンクーバーと同じブリティッシュコロンビア州でもここには船か、水上飛行機でしか行けない、秘境の地です。
そんな場所に静かにロッジが浮かんでいます。ロッジ到着後、早速野生のグリズリーベアを探しに出発です。
心の中ではズンズンと探検隊っぽい音楽がなっていますが、なんとボートに乗ることたった15分で、ガイドがあそこにいる!
とあっけなく発見してしまいました。 ボートから約50m先の海岸で子連れのグリズリーベアが草を食べています。
時折、顔をこちらに向けますがほとんど気にせずムシャムシャと食べ続けているのは、極力音を出さないように配慮しているガイドのおかげでしょうか。
自然とこちらの話し声も囁くようになっていました。
2匹の小熊は食べるよりも遊ぶのに夢中で、母クマがそれをたしなめていますが、その様子が人間の親子とそっくりなのには思わず、にんまりです。
みんながクマに夢中になっているときにふと周りを見回すと、当然ですが、そこは周りを深い森に囲まれた静かな入り江です。
その瞬間、僕はとてつもなく感動してしまいました。
きっとこのように、こんな場所で野生のクマが草を食べていることを知っている人は、世の中にはほとんどいないのだろう、そしてそれを見ている僕たちはなんて幸運なのだろう……。その後も長い間クマを眺め、いったんロッジへ帰りました。
翌日はロッジにあるシーカヤックを借りてクマを探しに出かけました。
この日の天気はかなり大降りの雨でしたが、張り切って元気に出発しました。
波のない海なのでカヤックも順調に進みます。
すると前方に雨の中たたずんでいる様子のグリズリーベアを発見です。
我々同様、雨を気にすることもなく草を食べ、しまいには寝てしまいました。やっぱり、来て良かった!
単純な僕はクマが寝てしまったのを見てそう思いました。
子供の頃遊んでいて素直に楽しかったときのように、何も考えず遊べた気がします。野生のクマが見たいからクマを探しに行く。
そんな旅をなんとしても作りたい……
そこまでは何とか漕ぎ着けました。
ナイトインレットでは、シャチウォッチングもできます!
ほとんどのシャチは回遊しており、なかなかその姿を見ることは難しいです。シャチウォッチングのメッカになっているのがカナダとアメリカ国境付近にある海域です。他にも、バンクーバー島北部のジョンストン海峡は定住型のシャチがいることで知られています。

添乗員レポートを書いた生涯感動スタッフ・板倉

板倉
板倉 知一
人生で最も刺激や感動を得られるのは旅ですが、インターネットが普及し、情報過多の世の中で本物の旅を探すのは至難の業です。
皆様の大事な休日のご提案はお任せください。
生涯感動へと誘います。